ミリタリーショップ PARABELLUM > コラム > 特集:DPMS パンサーアームス
特集:DPMS パンサーアームス
特集:DPMS パンサーアームス
古今東西、「好敵手」と呼ばれるもの同志は数あるがアサルトライフルにおいて
M16とAK47ほど登場から現在まで様々な角度で比較がされて来たものは多くない。
未だ優劣決し難く、正に「好敵手」の名にふさわしいもの同志である。
しかし、2001年9月11日以降の戦場において過去語られてきた両者の優劣は微妙なズレが生じている。
M16(M4)の最大の特徴は小口径高速弾である5.56mm×45弾の使用であろう。
M16はアーマライト社が開発したAR10(7.62mm×51弾使用)をルーツに持つが、
想定される新たな戦争のスタイルを見越し改良がなされたものである。
以下は当時考えられた新たにやって来るであろう戦争のスタイルとそれに見合った要求である。
○兵士は徒歩での移動から装甲車や航空機で戦場(直接戦闘地域)へ「輸送」される。
(機械化)
○兵士の移動速度向上により銃撃戦距離は短縮される。(野戦想定)
○機械化に伴い兵士の携行装備重量を軽減し、且つ携行弾薬量の増加が望ましい。
ここで問題となるのが携行装備重量の軽減と携行弾薬量の増加という相反する要求である。 解決策として登場したのが小口径高速弾である。弾丸の小口径化により重量を軽減し携行弾薬数を増加するのである。同重量であれば小口径弾の方が携行数は増加する。 小口径化による威力減を回避するため弾丸初速をアップし運動エネルギー(威力)増を行う。こうして生まれたのがM16に採用されたM193(223レミントン)弾である。
正式な形で語られる事は無いがM16のコンセプトには米軍がWW2、朝鮮戦争で使用した
M1、M2カービンの影が見え隠れする。M1、M2カービンで使用された弾丸は30口径カービン弾と呼ばれる特殊な弾丸でライフル弾とピストル弾の中間サイズにあたるものである。弾薬自体が軽量小型であるため使用兵士の評判は悪くは無かったが如何せん威力不足であるためアサルトライフル用弾丸としては採用されなかった。しかしM1、M2カービンがその後のアサルトライフル開発に及ぼした影響は大きい。これは後に意外な人物の口からも語られている。
M16はベトナム戦争を経て、より長距離射撃能力、貫通能力向上型であるM855(NATO標準SS109)弾使用のM16A2、そしてM16A2のカービン(短縮)モデルM4A1へと派生して行く。M16採用以来、米軍が戦ってきた戦場は熱帯、亜熱帯地域が多く当初の想定とは異なるが交戦距離が比較的短い為5.56mm×45弾使用の不都合は少なかった。
冷戦以降の新たな戦闘を想定したM16だが皮肉な事に冷戦終結に合わせ、その弱点が問題となってくる。ソビエトの力が目に見えて衰えきた1990年8月、イラクは突如クウェートへ侵攻、それを受けて米国は多国籍軍とともに中東の砂漠へと出動する。
米軍正式ライフルM16A2において当初問題視されたのは砂漠の砂による作動不良であった。意外にもこの点でM16A2はさほど問題となるような作動不良は起こさなかった。(英軍正式採用のL85A1は深刻な構造上の欠陥が露呈する)
砂漠という過酷な状況でも安定した作動を見せた(メンテナンスは必要であったが)M16A2だが思わぬ問題が浮上する。
兵士の間で「射程不足、威力不足」が囁かれ始めたのである。大規模な歩兵同士の地上戦が無かった湾岸戦争ではあるが行われた銃撃戦は砂漠特有の視界の良さ手伝い長距離で行われる事が多かった。如何に性能向上型であるM855であってもイラク側が使用するAKM(7.62mm×39弾)とは装薬量に大きな差がある。先に述べた通り湾岸戦争で行われた銃撃戦が規模、数ともに大きな問題提起がされるほどのものでは無かった。
その為に前線兵士からの貴重な意見「兵器に対する不満」への対応は先送りされる。
2001年9月11日の同時多発テロへの反撃として開始された米軍によるアフガニスタン侵攻で問題は本格化する。 国土の標高が高いアフガニスタン。山岳地帯は航空機のエンジン性能が低下するほど酸素濃度が薄い過酷な地域である。 タリバンが実行支配する首都カブール攻防戦は米軍、北部同盟が勝利し直ち掃討戦が開始される。険しい山岳地帯で行われる銃撃戦で米軍兵士はM4A1の威力不足を痛感する。 火薬の燃焼ガスにより弾丸を撃ち出すという銃発明以来変わらぬ発射機構において「酸素」は重要な要素である。標高が高く酸素の薄い場所では火薬の燃焼効率は低下する。小口径の弾丸を高速で撃ち出す事を基本コンセプトとするM16系列にとって、その弾丸の性能が低下する事は銃の持つ特性が生かせない由々しき問題である。 タリバン側は米軍に対し過去アフガニスタンの聖戦士たちが英、ソ連に行ったのと同じく山岳地帯でのゲリラ戦を展開する。追撃する米軍側は高所に居る敵を撃ち上げる機会が多くなった。スナイパーを除く一般的な小銃手にとって高低差射撃における照準修正は困難であった。 米軍は応急処置として7.62mm×51弾を使用する老兵M14を配備するなど対応に追われる事となった。ベトナム戦争時と全く逆の現象が起きてしまったのである。 地理的な条件でM4A1(小口径でありカービン銃)は弱点を露呈してしまったが、希有な条件下の性能低下、運用難は補助兵器の導入でそれを補うのが常である。M16自体がその様にして生まれた銃であった。
M16
M16(M4)の最大の特徴は小口径高速弾である5.56mm×45弾の使用であろう。
M16はアーマライト社が開発したAR10(7.62mm×51弾使用)をルーツに持つが、
想定される新たな戦争のスタイルを見越し改良がなされたものである。
以下は当時考えられた新たにやって来るであろう戦争のスタイルとそれに見合った要求である。○兵士は徒歩での移動から装甲車や航空機で戦場(直接戦闘地域)へ「輸送」される。
(機械化)
○兵士の移動速度向上により銃撃戦距離は短縮される。(野戦想定)
○機械化に伴い兵士の携行装備重量を軽減し、且つ携行弾薬量の増加が望ましい。
ここで問題となるのが携行装備重量の軽減と携行弾薬量の増加という相反する要求である。 解決策として登場したのが小口径高速弾である。弾丸の小口径化により重量を軽減し携行弾薬数を増加するのである。同重量であれば小口径弾の方が携行数は増加する。 小口径化による威力減を回避するため弾丸初速をアップし運動エネルギー(威力)増を行う。こうして生まれたのがM16に採用されたM193(223レミントン)弾である。
正式な形で語られる事は無いがM16のコンセプトには米軍がWW2、朝鮮戦争で使用した
M1、M2カービンの影が見え隠れする。M1、M2カービンで使用された弾丸は30口径カービン弾と呼ばれる特殊な弾丸でライフル弾とピストル弾の中間サイズにあたるものである。弾薬自体が軽量小型であるため使用兵士の評判は悪くは無かったが如何せん威力不足であるためアサルトライフル用弾丸としては採用されなかった。しかしM1、M2カービンがその後のアサルトライフル開発に及ぼした影響は大きい。これは後に意外な人物の口からも語られている。
M16はベトナム戦争を経て、より長距離射撃能力、貫通能力向上型であるM855(NATO標準SS109)弾使用のM16A2、そしてM16A2のカービン(短縮)モデルM4A1へと派生して行く。M16採用以来、米軍が戦ってきた戦場は熱帯、亜熱帯地域が多く当初の想定とは異なるが交戦距離が比較的短い為5.56mm×45弾使用の不都合は少なかった。
冷戦以降の新たな戦闘を想定したM16だが皮肉な事に冷戦終結に合わせ、その弱点が問題となってくる。ソビエトの力が目に見えて衰えきた1990年8月、イラクは突如クウェートへ侵攻、それを受けて米国は多国籍軍とともに中東の砂漠へと出動する。
米軍正式ライフルM16A2において当初問題視されたのは砂漠の砂による作動不良であった。意外にもこの点でM16A2はさほど問題となるような作動不良は起こさなかった。(英軍正式採用のL85A1は深刻な構造上の欠陥が露呈する)
砂漠という過酷な状況でも安定した作動を見せた(メンテナンスは必要であったが)M16A2だが思わぬ問題が浮上する。
兵士の間で「射程不足、威力不足」が囁かれ始めたのである。大規模な歩兵同士の地上戦が無かった湾岸戦争ではあるが行われた銃撃戦は砂漠特有の視界の良さ手伝い長距離で行われる事が多かった。如何に性能向上型であるM855であってもイラク側が使用するAKM(7.62mm×39弾)とは装薬量に大きな差がある。先に述べた通り湾岸戦争で行われた銃撃戦が規模、数ともに大きな問題提起がされるほどのものでは無かった。
その為に前線兵士からの貴重な意見「兵器に対する不満」への対応は先送りされる。2001年9月11日の同時多発テロへの反撃として開始された米軍によるアフガニスタン侵攻で問題は本格化する。 国土の標高が高いアフガニスタン。山岳地帯は航空機のエンジン性能が低下するほど酸素濃度が薄い過酷な地域である。 タリバンが実行支配する首都カブール攻防戦は米軍、北部同盟が勝利し直ち掃討戦が開始される。険しい山岳地帯で行われる銃撃戦で米軍兵士はM4A1の威力不足を痛感する。 火薬の燃焼ガスにより弾丸を撃ち出すという銃発明以来変わらぬ発射機構において「酸素」は重要な要素である。標高が高く酸素の薄い場所では火薬の燃焼効率は低下する。小口径の弾丸を高速で撃ち出す事を基本コンセプトとするM16系列にとって、その弾丸の性能が低下する事は銃の持つ特性が生かせない由々しき問題である。 タリバン側は米軍に対し過去アフガニスタンの聖戦士たちが英、ソ連に行ったのと同じく山岳地帯でのゲリラ戦を展開する。追撃する米軍側は高所に居る敵を撃ち上げる機会が多くなった。スナイパーを除く一般的な小銃手にとって高低差射撃における照準修正は困難であった。 米軍は応急処置として7.62mm×51弾を使用する老兵M14を配備するなど対応に追われる事となった。ベトナム戦争時と全く逆の現象が起きてしまったのである。 地理的な条件でM4A1(小口径でありカービン銃)は弱点を露呈してしまったが、希有な条件下の性能低下、運用難は補助兵器の導入でそれを補うのが常である。M16自体がその様にして生まれた銃であった。
NEXT >>